当社では、味や香りなど官能的な特性を定量的に評価する定量的記述分析法(QDA法)を導入し、しょうゆおよびしょうゆ周辺調味料を中心に様々な食品を評価し、製品開発に役立てています。
QDA法とは、味覚や嗅覚が優れた人を分析型パネルとし、自らが作成した特性用語(甘い香り、アルコール臭、木の香りなど)に基づいてその特性を定量化する方法です。QDA法を用いることによって、目的の製品はどんな味や香りがするのか、他の製品とどのような点がどのぐらい異なるのかといった特徴を明らかにすることができます。また、嗜好調査と組み合わせて消費者に好まれる商品群の特徴を明らかにしたり、味や香りの成分と特性の関連づけについても研究を行っています。
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図1.しょうゆを代えた時のつゆの評価 |
しょうゆだけを代えて試作したつゆをQDA法で評価した1)。脱脂濃口しょうゆを使用すると、丸大豆しょうゆを使用した場合に比べて酸味が強く、こげ風味が弱い。 | |
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図2.加熱条件と香気特性の関係 |
「鶏の照焼」をモデルとし、加熱条件(時間および温度)と生成した香気についてマッピングした2)。加熱温度が高くなると、コゲ臭の他に油の酸化臭が強くなり、加熱時間が短くなるとムレ臭や生臭いにおいが強くなる | |
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《引用文献》 |
1) |
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ifia JAPAN 2005 にて発表 |
2) |
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仲田真知子ほか:実験計画法を利用した加熱条件がATC(Artificial Teriyaki Chicken)フレーバーの官能特性と香気成分に及ぼす影響の解析、日本食品科学工学会第49回大会講演集,p120 (2002) |